突然の饒舌について
ふと、昨年秋の乗鞍でのワールドワークのことを思い出し、書きたくなった。
最近の自分の身に起こったことと、重なるからだと思う。
*
ベーシック・エンカウンター・グループとワールドワークが、同じ宿舎の別の部屋で並行開催されるというユニークな試みで、少しずつ、両者の交流が試みられている。
昨年は初の試みとして、4日間・全9コマのうち、1コマ(2~3時間)=3日目の午前中だけ、ワールドワーク/ベーシックエンカウンターグループ、どちらに入ってもよい・・・という時間になりました。
僕もワールドワークを離れて、ベーシックエンカウンターグループに入ってみました。
「ベーシック」は、元々2グループに分かれて進行していたということで、僕が入った方のグループは4人がワールドワークから加わりました。
ベーシックの2グループの相互移動も可能・・・ということで、元々のグループの人と、ベーシックの別グループから来た人もいるようで、その辺の割合はわかりません。
ベーシックエンカウンターグループの方々は、大人しめの方が多いという印象。
ワールドワークの面々は、僕も含めて、より個性的です。
もちろんベーシックエンカウンターグループの方々も個性的だと思うのですが、それをより内に秘めている感じがします。
ワールドワークのA君が、場を和ます自己紹介。ナイスムードメーカー!実にありがたい。
僕もそれに便乗して、場を和らげようと試みる。その場は少し、盛り上がる。
ただ、ふたを開けてみると、元々そのグループにいた人の間で起こっていることを、そのまま引き継ぐような形で進み始めました。
元々このグループにいたらしい、5,60代と思われる女性Xさんが、人の話を取ってしまう・・・ということが、繰り返しているようです。
そこに最も反発しているのが、女子大生らしき、Yさん。「Xさんは、人の話を、自分の都合のいい部分だけをつかまえて、いつの間にか自分の話にしてしまっていると。」
この時間は全9コマの6コマ目。前の2日間・5コマで、すでにYさんは、相当いらいらしている様子。
2日間そんな状況に置かれていたら、きっと僕もいらいらしていたことでしょう。Yさんの気持ちもわかる。
ところが、Xさんは、どこ吹く風。
「私がしゃべることで、人が迷惑がかかっている」ということを、多少自覚しているようだが、むしろ喜んでいる様子。
不思議だ。
普通なら「迷惑をかけてごめんなさい」なのに、それがうれしいとは?
好奇心がそそられる。
(その瞬間には、そこまで意識していなかったが、プロセスワーク的に言えばこれは、「ダブルシグナル(リンク先の結構下のほうに説明あり)」。)
Yさんの気持ちはわかるが、そこまで巻き込まれていない僕は、Xさんの言葉にいらいらしないでいられる。
この好奇心に基づいて、伝えてみる。
「しゃべり過ぎて、迷惑をかけて、ごめんなさい・・・ならわかるんですけど、『うれしい』っていうのは、面白いですね。」
こんなようなことを僕は、確かに言った。
さらに「何がうれしいか、聞かせてもらえませんか?」とまで言えたかどうか・・・覚えがない。
でも、Xさんの話は、そして場の関心は、次第に「Xさんは何がうれしいのか」という方に移っていった。
家庭の事情で、なかなか自分を表現できなかったXさん。
それが、事情の変化により、自分のための勉強をする時間が持てるようになり、様々なことを学んで、今は変化の真っ只中にある。
だから、いろいろなことが、うれしくてしょうがない。
うれしくて人の話も取ってしまう。(Xさんの中では取ったつもりはなくて、つながってる話なんだろうけど)
これはXさんにとっては、人生初、もしくは何十年かぶりの、自分を表現したくてしたくて、ついつい饒舌になってしまう時期・・・ということがだんだん見えてきた。
Xさんの、人との対話や受け答えは、まだ噛み合ってない部分も多いものの、次第に噛み合う部分も多くなってきた。
ワールドワークから参加のBさんは、自分の体験を語りながら、いろいろな人の話を共感的に受け止めながら、ファシリテーター的役割を取っていた。
エンカウンターグループの方々からも、様々な発言が出てきた。
「XさんvsYさん」、または「Xさんが場を乱している」という緊迫した構図から、場はかなり変わってきた。
ワールドワークのCさんが、Xさんが着ている黄色の上着の鮮やかさに、話を向ける。必ずしもそれまでの話とつながっていなかったので、話がどちらに転がるかと思ったが・・・
今「色の勉強をしてるの」とXさんのうれしい話はさらに広がっていく。
黄色の下には、これまた鮮やかな赤と緑を着込んでいるXさん。
クールなファッションを好む世代からすれば、原色ばっかりでセンスない・・・という反応もありうると思うが、お年を召された方こそ、くすんだ色の服なんか着ないで、派手な服を着たほうがいい・・・という声が、僕の中でも優勢だったし、場も、そんな感じで受け止めていた。
鮮やかな黄色と赤と緑は、紅葉真っ盛りの、乗鞍の山々を思い起こさせた。
紅葉も、木々にとっては大きな変化の時期。そして、それはXさんにとっても・・・
話はXさんのお子さんの話に。
必ずしも、いい状況にはないお子さんだが、Xさんの変化に伴って、お子さん自身にも、Xさんとの関係にも、変化の兆しが感じられる・・・そんな話だった。
そこまで含めて、Xさんは前向きに語った。
いつしかYさんの心にも変化が生じた模様。
最後の振り返りでYさんは、涙ながらに語ってくれた。
話の中身までは忘れてしまったし、触れないが、YさんとXさんとの間にあった何かが確実に変化した・・・
そんな瞬間だった。
エンカウンターグループで2日間のやり取りを経て、起きたであろう、感動的な瞬間に立ち会うことが出来た。
ワールドワークのメンバーが加わったことで、場に変化が生じたのか、元々エンカウンターグループの中でもそれが起こるタイミングだったのか、それはわからない。
ただ、何となく、ワールドワークメンバーの持ち込んだ「持ち味」が、エンカウンターグループにとっては、異質なものだったので、それがいい方に作用したのではないか・・・そんな気はしている。
ワールドワークの場に戻って、A君は、別のグループにいった人たちに、この体験を「全米が感動!」と表現した。
この「全米が・・・」には妙な説得力があるんだよな。今でもたまに使いたくなる(^^)
そして、4日目=最終日、ワールドワーク/エンカウンターグループ合同の振り返りの場で、XさんとYさんが微笑ましいやり取りをしているのに遭遇して、僕はあらためて「全米が感動」した。
*
これを4ヶ月もたった今なぜ思い出して、書こうと思ったのか・・・。
僕自身にも、Xさんのような、変化の時期が訪れた・・・そんな気がしたからだ。
コミュニケーションのスタイルまで変わるような大きな変化・・・最近の1日平均2本のブログ更新もそうだし、話しても大丈夫だと思える相手には、最近は饒舌に語るようにもなりつつある。
相手によっては、以前無口ですが・・・(^^ゞ
Xさんは今頃どうしているだろうか?
少しずつ周りと噛み合うようになりながら、まだうれしさを噛みしめているような・・・何となくそんな気がするなぁ。
コミュニケーションのスタイルが激変すると、周りの人とは摩擦も生じるかもしれない。
突然饒舌になった人がいたとしても、それは、必要が生じてそうなっているので、多少暴走気味になってしまうかもしれないけど、本人も次第に慣れれば、そのうち周りとなじんでいくだろう・・・
いろんなことに気づいてしまうので、あれこれも書いております。
全部読んでくれるほどの人もいないだろうと、思いつつ・・・。
しゃべる時にもしゃべり過ぎないように、多少は気をつけたほうがいいのかな?
今までの人生でしゃべり過ぎって、あまりない気はするのだけれど・・・
自戒をこめつつ、書いてみたくなってのでした。
最近の自分の身に起こったことと、重なるからだと思う。
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ベーシック・エンカウンター・グループとワールドワークが、同じ宿舎の別の部屋で並行開催されるというユニークな試みで、少しずつ、両者の交流が試みられている。
昨年は初の試みとして、4日間・全9コマのうち、1コマ(2~3時間)=3日目の午前中だけ、ワールドワーク/ベーシックエンカウンターグループ、どちらに入ってもよい・・・という時間になりました。
僕もワールドワークを離れて、ベーシックエンカウンターグループに入ってみました。
「ベーシック」は、元々2グループに分かれて進行していたということで、僕が入った方のグループは4人がワールドワークから加わりました。
ベーシックの2グループの相互移動も可能・・・ということで、元々のグループの人と、ベーシックの別グループから来た人もいるようで、その辺の割合はわかりません。
ベーシックエンカウンターグループの方々は、大人しめの方が多いという印象。
ワールドワークの面々は、僕も含めて、より個性的です。
もちろんベーシックエンカウンターグループの方々も個性的だと思うのですが、それをより内に秘めている感じがします。
ワールドワークのA君が、場を和ます自己紹介。ナイスムードメーカー!実にありがたい。
僕もそれに便乗して、場を和らげようと試みる。その場は少し、盛り上がる。
ただ、ふたを開けてみると、元々そのグループにいた人の間で起こっていることを、そのまま引き継ぐような形で進み始めました。
元々このグループにいたらしい、5,60代と思われる女性Xさんが、人の話を取ってしまう・・・ということが、繰り返しているようです。
そこに最も反発しているのが、女子大生らしき、Yさん。「Xさんは、人の話を、自分の都合のいい部分だけをつかまえて、いつの間にか自分の話にしてしまっていると。」
この時間は全9コマの6コマ目。前の2日間・5コマで、すでにYさんは、相当いらいらしている様子。
2日間そんな状況に置かれていたら、きっと僕もいらいらしていたことでしょう。Yさんの気持ちもわかる。
ところが、Xさんは、どこ吹く風。
「私がしゃべることで、人が迷惑がかかっている」ということを、多少自覚しているようだが、むしろ喜んでいる様子。
不思議だ。
普通なら「迷惑をかけてごめんなさい」なのに、それがうれしいとは?
好奇心がそそられる。
(その瞬間には、そこまで意識していなかったが、プロセスワーク的に言えばこれは、「ダブルシグナル(リンク先の結構下のほうに説明あり)」。)
Yさんの気持ちはわかるが、そこまで巻き込まれていない僕は、Xさんの言葉にいらいらしないでいられる。
この好奇心に基づいて、伝えてみる。
「しゃべり過ぎて、迷惑をかけて、ごめんなさい・・・ならわかるんですけど、『うれしい』っていうのは、面白いですね。」
こんなようなことを僕は、確かに言った。
さらに「何がうれしいか、聞かせてもらえませんか?」とまで言えたかどうか・・・覚えがない。
でも、Xさんの話は、そして場の関心は、次第に「Xさんは何がうれしいのか」という方に移っていった。
家庭の事情で、なかなか自分を表現できなかったXさん。
それが、事情の変化により、自分のための勉強をする時間が持てるようになり、様々なことを学んで、今は変化の真っ只中にある。
だから、いろいろなことが、うれしくてしょうがない。
うれしくて人の話も取ってしまう。(Xさんの中では取ったつもりはなくて、つながってる話なんだろうけど)
これはXさんにとっては、人生初、もしくは何十年かぶりの、自分を表現したくてしたくて、ついつい饒舌になってしまう時期・・・ということがだんだん見えてきた。
Xさんの、人との対話や受け答えは、まだ噛み合ってない部分も多いものの、次第に噛み合う部分も多くなってきた。
ワールドワークから参加のBさんは、自分の体験を語りながら、いろいろな人の話を共感的に受け止めながら、ファシリテーター的役割を取っていた。
エンカウンターグループの方々からも、様々な発言が出てきた。
「XさんvsYさん」、または「Xさんが場を乱している」という緊迫した構図から、場はかなり変わってきた。
ワールドワークのCさんが、Xさんが着ている黄色の上着の鮮やかさに、話を向ける。必ずしもそれまでの話とつながっていなかったので、話がどちらに転がるかと思ったが・・・
今「色の勉強をしてるの」とXさんのうれしい話はさらに広がっていく。
黄色の下には、これまた鮮やかな赤と緑を着込んでいるXさん。
クールなファッションを好む世代からすれば、原色ばっかりでセンスない・・・という反応もありうると思うが、お年を召された方こそ、くすんだ色の服なんか着ないで、派手な服を着たほうがいい・・・という声が、僕の中でも優勢だったし、場も、そんな感じで受け止めていた。
鮮やかな黄色と赤と緑は、紅葉真っ盛りの、乗鞍の山々を思い起こさせた。
紅葉も、木々にとっては大きな変化の時期。そして、それはXさんにとっても・・・
話はXさんのお子さんの話に。
必ずしも、いい状況にはないお子さんだが、Xさんの変化に伴って、お子さん自身にも、Xさんとの関係にも、変化の兆しが感じられる・・・そんな話だった。
そこまで含めて、Xさんは前向きに語った。
いつしかYさんの心にも変化が生じた模様。
最後の振り返りでYさんは、涙ながらに語ってくれた。
話の中身までは忘れてしまったし、触れないが、YさんとXさんとの間にあった何かが確実に変化した・・・
そんな瞬間だった。
エンカウンターグループで2日間のやり取りを経て、起きたであろう、感動的な瞬間に立ち会うことが出来た。
ワールドワークのメンバーが加わったことで、場に変化が生じたのか、元々エンカウンターグループの中でもそれが起こるタイミングだったのか、それはわからない。
ただ、何となく、ワールドワークメンバーの持ち込んだ「持ち味」が、エンカウンターグループにとっては、異質なものだったので、それがいい方に作用したのではないか・・・そんな気はしている。
ワールドワークの場に戻って、A君は、別のグループにいった人たちに、この体験を「全米が感動!」と表現した。
この「全米が・・・」には妙な説得力があるんだよな。今でもたまに使いたくなる(^^)
そして、4日目=最終日、ワールドワーク/エンカウンターグループ合同の振り返りの場で、XさんとYさんが微笑ましいやり取りをしているのに遭遇して、僕はあらためて「全米が感動」した。
*
これを4ヶ月もたった今なぜ思い出して、書こうと思ったのか・・・。
僕自身にも、Xさんのような、変化の時期が訪れた・・・そんな気がしたからだ。
コミュニケーションのスタイルまで変わるような大きな変化・・・最近の1日平均2本のブログ更新もそうだし、話しても大丈夫だと思える相手には、最近は饒舌に語るようにもなりつつある。
相手によっては、以前無口ですが・・・(^^ゞ
Xさんは今頃どうしているだろうか?
少しずつ周りと噛み合うようになりながら、まだうれしさを噛みしめているような・・・何となくそんな気がするなぁ。
コミュニケーションのスタイルが激変すると、周りの人とは摩擦も生じるかもしれない。
突然饒舌になった人がいたとしても、それは、必要が生じてそうなっているので、多少暴走気味になってしまうかもしれないけど、本人も次第に慣れれば、そのうち周りとなじんでいくだろう・・・
いろんなことに気づいてしまうので、あれこれも書いております。
全部読んでくれるほどの人もいないだろうと、思いつつ・・・。
しゃべる時にもしゃべり過ぎないように、多少は気をつけたほうがいいのかな?
今までの人生でしゃべり過ぎって、あまりない気はするのだけれど・・・
自戒をこめつつ、書いてみたくなってのでした。
by matsuzoh2002
| 2006-03-17 10:04
| プロセスワークの参加体験