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身体で思いを形にするワークショップblog

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「こうなってほしい!」「そのためには、今どうすればいい?」そんな思いを、「体で感じる」ことを重視しながら表現するワークショップの進行役(ファシリテーター) まつぞうのblog

「・・・」に思わず感動 …映画「トゥモロー・ワールド」

何に感動したかはネタバレですからね・・・。

プロセスワークつながりのかまきりさんの感想を読んで見てみました。

ツタヤでは「SF・近未来」なんて、普段スルーするような棚に並んでたので、かまきりさんの感想がなければまず見なかった作品でしょう。かまきりさんが映画の感想をかかれるのも珍しいんですけど。
おかげでいい作品が見れました。ありがとうございます。

子どもが18年間生まれていない2027年のイギリスが舞台。

いろんな人の映画の感想が読めるので、よく、みんなのシネマレビューというサイトを参考にするんですが、この作品評価は結構高い中で、この作品はものすごく低い評価の人も少なくない。

いくつか低評価の方の傾向が読み取れて、

・SF・近未来・アクションを期待すると、肩透かし

・・・ということがあるみたいです。

確かに、テクノロジーの進歩とか、多少描かれてるけど、刺身のつまにもならない程度。

「トゥモローワールド」という邦題も、誤解を招く元。

現代は「Children of Men」(人類の子どもたち)ですし。

現代映画だけど、子どもが18年生まれていないという設定だけほしかった感じ。
そうなると今から18年ちょっと後くらいがいいかな・・・って感じで決めたのでは?

だからSF・近未来・アクションを期待して見てはいけません。

もう1つ低評価な人のコメントで多いのが

・謎が謎のままほったらかしですっきりしない

・・・そういう見方は僕は全然してなかったので、見方は人それぞれだなぁと思います。

これは謎解き映画ではありません!

なぜ18年間子どもができないのか?
(以下ネタバレな部分は白字で書きます。読みたい方は反転して呼んでくださいませ。)

答えは描かれてません。他にも、「なぜ突然18年ぶりに妊娠したのか?」とか、

主人公たちが救ってくれることを期待する組織は何者か?

ということにも答えは描かれてません。

そういう映画ではありません。

子どもが18年生まれていない世界。

とっぴな設定ですが、いつしかその世界に漂う絶望感に僕も同調してました。

冒頭から、「世界で一番若い人物が死んだ」という、現実の世界ではありえないニュース。

このままでは人類は絶滅する感じがうっすらと漂う。

自殺薬が公認で宣伝しまくってたりとか。
イギリスは国境を封鎖してるのに、それでも不法移民が続々押し寄せてたりとか。

そんなじわじわと滅亡していく世界で、主人公あることに巻き込まれていくわけですが、

そんな異様な世界だからこそ「たった1人生まれた赤ちゃん」が圧倒的存在感を放つラスト近くの場面にやられてしまいました。
人々の反応が泣かすよね。
僕も泣きそうでした。僕自身が「年齢的にもこのまま赤ちゃん作ることなく一生を終える」可能性が高まってる」せいかも知れませんね。泣けるのは。まだ分かりませんけど。

アホみたいにスパンの長い話をすれば、太陽系にも寿命があって、地球も道連れなわけで、人類もいつか滅亡するか、地球を脱出するか(できるか?)する訳で、いつか必ず滅亡の瞬間や、地球を離れる瞬間を迎える人たちもいる訳で、永遠なんてないわけですが、それでも永遠を、次の世代に命をつないでいくことが出きるからこそ、日々生きていけるのだな、と、とっぴな物語に教えられました。

・・・こうして言葉にしてみるとどうにも陳腐だな・・・。

何はともあれ、いい映画でした。

★9
by matsuzoh2002 | 2008-09-30 11:26 | 見た映画

by matsuzoh2002