エチオピア系偽ユダヤ人の物語 ・・・映画「約束の旅路」
エチオピア系イスラエル人をめぐる物語。
この前観た「パラダイス・ナウ」以外にも、わりと最近公開されたイスラエルがらみの映画がいくつかあるのに気づいて、個人的にプチ・イスラエル映画祭です。
去年イスラエルを訪れた際に、有名な「嘆きの壁」の出口で呼び止められた警官or警備員3人のうち1人が黒人で、エチオピア出身だと言ってました。
ユダヤ人は世界中に散らばっていたから、エチオピアにもいたんだな・・・くらいの認識でしたが、この映画を観て、また、いろいろなサイトで調べて、いろいろ見えてきました。
・エチオピアにも「ユダヤ教」的な信仰は確かにあるが、どうやらキリスト教がユダヤ教から分かれるまえのユダヤ教が残っていた・・・という感じで、イスラエルで正統とされるユダヤ教はだいぶ違うらしい。
・イスラエル政府はパレスチナに対抗する意味合いから、世界中のユダヤ人の移住を促して人口増加を図っている。
・だから、エチオピアの「ユダヤ教徒」をユダヤ人として認定して、アメリカ軍と共同で、内紛・飢餓に苦しむエチオピアから「救出」した。
・しかし彼らがユダヤ教徒であることに否定的な声は強く、政治的な判断が働いているっぽい。
こちらやこちらを見ると、そもそもエチオピアのユダヤ人はユダヤ人なの?というのが怪しくなってくる。かなり政治的な判断によって、エチオピア系ユダヤ人の移住はなされたようですね。
(パレスチナ支援のサイトなので、厳しい見方をされてます)
で、この映画の主人公は、明らかにユダヤ人ではないが、母の手を離れ、子どもを亡くしたなかりの別の女性の子どものフリをして、少年の頃にスーダンの難民キャンプからイスラエルへと移住する。
誰がユダヤ人としてイスラエル国民になる権利を得るのか・・・という線引きは、外国人労働者を導入するのか・・・というときに、日系人だけがOKになった話を思い出す。
日系人じゃない人も、偽装して日本に来た・・・なんて話もダブって見える。
ユダヤ人ではないけれどユダヤ人の国で生きていかなきゃいけない・・・という主人公の苦悩は、そのまま実感できるものではないけど、よく描かれてたと思う。
黒人差別も、寛容に受け止める人々も存在するし、「宗教的に認められない」というユダヤ教の正当性にこだわる人もいれば、そんなに信仰に厚くない人もいて、イスラエル社会の多様性が描かれているのも興味深かった。
主人公の彼女となる人の行動に、特に最初のうち、ちょっと引いてしまったので、いまひとつ感情移入できなかったのですが、あとあと考えてみると、あれくらいの行動をする人でないと、秘密を抱えて心開けない主人公に色恋沙汰はなかったかも。
そこがもっと感情移入できたら、もっと評価を高くしたいところですが、☆7つくらいかな~。
あとは監督さんもインタビューでいうように、この映画のポイントは複数の「母」ですね。
つらい境遇の主人公の映画ですが、いろいろと支えてくれてます。
この前観た「パラダイス・ナウ」以外にも、わりと最近公開されたイスラエルがらみの映画がいくつかあるのに気づいて、個人的にプチ・イスラエル映画祭です。
去年イスラエルを訪れた際に、有名な「嘆きの壁」の出口で呼び止められた警官or警備員3人のうち1人が黒人で、エチオピア出身だと言ってました。
ユダヤ人は世界中に散らばっていたから、エチオピアにもいたんだな・・・くらいの認識でしたが、この映画を観て、また、いろいろなサイトで調べて、いろいろ見えてきました。
・エチオピアにも「ユダヤ教」的な信仰は確かにあるが、どうやらキリスト教がユダヤ教から分かれるまえのユダヤ教が残っていた・・・という感じで、イスラエルで正統とされるユダヤ教はだいぶ違うらしい。
・イスラエル政府はパレスチナに対抗する意味合いから、世界中のユダヤ人の移住を促して人口増加を図っている。
・だから、エチオピアの「ユダヤ教徒」をユダヤ人として認定して、アメリカ軍と共同で、内紛・飢餓に苦しむエチオピアから「救出」した。
・しかし彼らがユダヤ教徒であることに否定的な声は強く、政治的な判断が働いているっぽい。
こちらやこちらを見ると、そもそもエチオピアのユダヤ人はユダヤ人なの?というのが怪しくなってくる。かなり政治的な判断によって、エチオピア系ユダヤ人の移住はなされたようですね。
(パレスチナ支援のサイトなので、厳しい見方をされてます)
で、この映画の主人公は、明らかにユダヤ人ではないが、母の手を離れ、子どもを亡くしたなかりの別の女性の子どものフリをして、少年の頃にスーダンの難民キャンプからイスラエルへと移住する。
誰がユダヤ人としてイスラエル国民になる権利を得るのか・・・という線引きは、外国人労働者を導入するのか・・・というときに、日系人だけがOKになった話を思い出す。
日系人じゃない人も、偽装して日本に来た・・・なんて話もダブって見える。
ユダヤ人ではないけれどユダヤ人の国で生きていかなきゃいけない・・・という主人公の苦悩は、そのまま実感できるものではないけど、よく描かれてたと思う。
黒人差別も、寛容に受け止める人々も存在するし、「宗教的に認められない」というユダヤ教の正当性にこだわる人もいれば、そんなに信仰に厚くない人もいて、イスラエル社会の多様性が描かれているのも興味深かった。
主人公の彼女となる人の行動に、特に最初のうち、ちょっと引いてしまったので、いまひとつ感情移入できなかったのですが、あとあと考えてみると、あれくらいの行動をする人でないと、秘密を抱えて心開けない主人公に色恋沙汰はなかったかも。
そこがもっと感情移入できたら、もっと評価を高くしたいところですが、☆7つくらいかな~。
あとは監督さんもインタビューでいうように、この映画のポイントは複数の「母」ですね。
つらい境遇の主人公の映画ですが、いろいろと支えてくれてます。
by matsuzoh2002
| 2008-03-22 19:54
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