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身体で思いを形にするワークショップblog

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「こうなってほしい!」「そのためには、今どうすればいい?」そんな思いを、「体で感じる」ことを重視しながら表現するワークショップの進行役(ファシリテーター) まつぞうのblog

人のことなんかかまってられない自分

今日の午後は、学生から2人ファシリテーターが出て、グループプロセス(ワールドワーク)をする時間がありました。

まずはテーマ決め。

「言語」が真っ先にテーマにあがる。

ファシリテーター役の1人は非英語圏出身なので、母語でそのことを書く。

それを見て僕もテンションが上がり、ホワイトボードへとしゃしゃり出て、「いいぞいいぞ!」と書いてみる。

このグループ内では、今までおとなしくしていたので、初めて前に出た瞬間かも。

ま、いつでも出る準備はできていたんですけどね、僕の中では。

そして、シドニーのワールドワークですでに学んだように(英語/非英語よりも、個人的にはむしろ… …ワールドワーク報告12…)、僕にとっての問題は英語かどうかという言語の問題よりも、非言語での表現をどれだけ活用できるかどうかにかかっている。

だから、その後「非言語(non-verbal)」というのを、テーマ候補としてあげることも忘れなかった。

他にも、この日は、「敬意が払われること/払われないこと」「『いい人』でなければならないこと」などの一群のテーマも、候補としてあがった。


「非言語」も含めて「言語」についてか、「敬意」その他一群についてか・・・ということで、意見は分かれて、多数決によって「言語」について扱うことに。

「ノンネイティブスピーカー」のロール(役)がセットされる。

「ネイティブスピーカー」のロールからは、「このコースは英語を話すことが前提になってるのに、今さら何の文句があるんだ」というような声が出る。

「ノンネイティブ」からは、「いや、英語は必ずしも条件ではないと書いてあった。そんなことより英語を使われるのはストレスフルで、大変なんだ。」との訴えが。

「ネイティブ」は、「大変だからって、どうしてほしいわけ?」と。

「ノンネイティブ」は「別にどうにかしてほしいわけじゃない。ただ、大変だということを言いたい、認めてほしいだけだ」と。

学生ではなく、コースの講師=ファシリテーターが「ノンネイティブ」側に入り、「言葉の問題だけじゃない。言葉よりも身体で表現するのが得意な人もいる。それも認めてほしい」と、僕の声を代弁してくれるようなことも言ってくれる。ありがたいね。

僕個人としては、ここでは、むしろ「疲れている」ことが前面に出ていたので、この声はありがたかった。

対峙する「ネイティブ」「ノンネイティブ」とはまったく違う角度から、違う声が出てきた。

「そんな風に、英語を話さない人のことなんか、いちいち考えてられるか!」

・・・「人のことなんか、いちいちかまっていられない」ロール。「わがまま」なロール。

今までの「ネイティブ」のロールは、ノンネイティブに対する「気遣い」があったことに気づく。

気遣いぬきのわがままな声。

「ノンネイティブ」からは、「わたしたちの存在は邪魔だって言うこと?」という反発。

そして、切り捨てられたことに対する、激しい怒りの爆発。

むしろ、その怒りは激しすぎて、ついていけない気がした。

自分に近いのはむしろ「わがまま」の方では?

そう思えて、「わがまま」のロールの方に身を寄せてみる。

ここはむしろ「ネイティブ」「ノンネイティブ」を超えた、「個」の立つ場所なのでは?そう思えた。

口をついて出てきた言葉は、「十分に自分自身を生きられなければ、他の人にかまってなんていられない」・・・そんな言葉だった。

その瞬間、そのロールにたってみると、その言葉は真実だった。

今、そのロールを離れて、振り返ってみると、必ずしもそうではないと思う。

「十分に自分自身を生きられる」・・・ってどういうことかよく分からない気もする。

そして、そうでないうちから、他の人にかまってしまうことも、ままあるし、かまって悪いというわけでもない。

しかし、その瞬間には、その言葉と自己一致してたんだよな。うそではない。

英語で話すことを強いられるがゆえに、日本語的な微妙な言い回しができなくて、シンプルな言葉になってしまったという面もあると思う。

だからと言って、この言葉は「自分じゃない」ということはない。

そうじゃない面も自分の中には多々ありつつも、こういう面も自分なんだよなぁ・・・と思う。

人のことなんかかまっていられない・・・そんな自分を、どうファシリテーションに生かしていけるだろう?

今はよく分からないけれど、「生かせないことは何もない」はずなので、きっと何か見つかると思う。
by matsuzoh2002 | 2006-09-14 15:12 | プロセスワークの参加体験

by matsuzoh2002