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身体で思いを形にするワークショップblog

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「こうなってほしい!」「そのためには、今どうすればいい?」そんな思いを、「体で感じる」ことを重視しながら表現するワークショップの進行役(ファシリテーター) まつぞうのblog

場のゆるませ方 …アーニー&エイミー・ミンデル'sセミナー@ヤハッツでの気づき…

外に歩きに行こうか、どうしようか・・・と思いながら、ゲームでお茶を濁している間に、ヤハッツでの4日間の振り返りが、少しできた。

ワールドワークは場の緊迫を伴う。

そこは苦手とするところだ。

日本に入ってきているワークショップの多くは、「アイスブレーキング」から始まる。

氷のように張り詰めた場の空気を、ゆるませて、解かせて、はじめて議論ができる場が整う・・・そういう前提で組み立てられていると思う。

ワールドワークにアイスブレーキングはない。

緊迫をあえて探しに行く・・・そんなもんだ。

僕の中の「アイスブレーキング推進派」は、「そんな無茶なこと、止めとき!」と警告を発する。

しかし、のんきにアイスブレーキングする間もなく、気がつけば、対立して、緊迫してた・・・そんなことを日常的に起こる。

「ワークショップは、非日常だから、参加費を払ってまでそんな緊迫など見たくない」という声が、アイスブレーキング推進派の間にはあるような気がする。

だからワールドワークは、緊迫にあえて取り組み、向き合い、掘り下げていく。

・・・ああ、大変だ。

しかし、個人的にはゆるんだ場の方が持ち味を発揮させやすいのは確かだ。

今回もそんな場面があった。

3日目”abuse"(虐待)がテーマで小グループでワークをしたとき。

その前段階で自分の”BigU”をワークした。(インナーワークを通して、普段は自分の一部だとはとても思えないような思いがけないこと・ものを、自分の一部だと感じ取れたら、それが「普段の自分」"small u"に対して、それを超えた「大きな自分」という意味で”BigU”と呼ぶ)

その場・その瞬間での僕の”BigU”は、セミナー会場を飛び回っていた「ハエ」だったのだ。

”BigU”を探すために、自分にとって「ここだ!」と思える場所を見つける・・・という作業をしていた。
その場所で自分の感覚に従う・・・という指示だったのだが、ものすごく眠かったので、その場で僕は寝ようとした。

でも、ハエが寝かせてくれなかった。
そうか、これか!と思って、ハエの動きを追ってみた。

ハエを見ていると、「ここだ!」と思える場所には、そう長くとどまっているものではないのでは?というように思えた。
むしろ、ここだ!と思える場所は刻一刻と変わるのだから、それにあわせて動き回ること・・・それこそがハエにとっての真理のような気がした。
時折ある場所に止まるときでも、前足を擦り合わせて、ハエは実に用心深く見える。
用心深くいればいるほど、刻々と変わる状況の中、ここだと思える場所を捜し求めて、動き回る必要があるのでは・・・

そう納得して、ハエの動きを追うのを止めた。

すると、肩口にハエが止まった。

なかなか動こうとしない。

あれ?実は動かなくて済むものなら、動かないのか?・・・とハエの新たな一面を見る。

ここなら大丈夫・・・という安心感を得たのか、前足だけでなく、後ろ足も擦りあわせて、次の飛行に備えているようだ。

さっき落ち着きがなかったのは、僕が追っかけるように観察していたからか・・・。そう納得する。
観察するものは、観察されるものに影響を与える。
その影響が存在しない、純粋な「観察」など存在しない・・・

・・・

そんないろいろな考察を深めていたことを、「虐待」がテーマの小グループでは、どこか出しにくい雰囲気があった。

それぞれの”BigU"を必要に応じて持ち込みながらワークする・・・という方向付けもあったのだが、「ハエ」は少しぶっ飛びすぎている気がした。

「動き回る」を実行するには、体力的にはきつさを感じていたこともあったし。

緊迫感とともに、ワークは進行した。

言葉の問題もあり、僕はただ見守っていた。

かなりの時間見守っていると、グループのメンバーの多くは立ち上がり、イスから離れて、立ち上がってワークが進んだ。

輪になって座っていたのが、少し僕から離れたところで立って輪になっている展開になった。

最初、立つのがめんどくさくて、同じ場所に座ってた。

その場所からだと、見にくいし、聞こえにくいので、もう少し近くのイスに移動した。

いつしか、話の流れは「誰の"BigU"が一番デカいか?・・・」というおバカな話になっていた。

あ、これなら入りやすいわ・・・と思って、ハエになって、飛び回りながら場に参入して、「僕のBigUはハエだ」・・・ってな話をした。

ワークとしては、これがちょうど一区切りで、オチになったらしかった。

ハエの動きは評判がよかった。

・・・まぁ、これが僕の持ち味って言えば、持ち味ですが・・・。

緊迫していた場をどうゆるますか・・・結局、そういう場には参入できなかった。

この辺が今後の課題ですわな。

アイスブレーキングがあれば、その持ち味を最初から生かせるのだが、アイスブレーキングがないときに、流れの中で、どう場をゆるませていくのか・・・。

そこだね!
by matsuzoh2002 | 2006-09-12 07:11 | プロセスワークの参加体験

by matsuzoh2002