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身体で思いを形にするワークショップblog

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「こうなってほしい!」「そのためには、今どうすればいい?」そんな思いを、「体で感じる」ことを重視しながら表現するワークショップの進行役(ファシリテーター) まつぞうのblog

映画「マレーナ」

「リリイシュシュ」は14歳の少年の物語だったけど、これは12歳の少年の物語。

そのつながりを全く意識してなかったわけではないけど、こうして続けて観てみると、時代の違い・お国柄の違いが出てて、面白かった。

「マレーナ」は第2次大戦中のイタリア・シチリア島が舞台。「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の同じ舞台での物語。
今度の少年は映画にハマるのではなく、美しい大人の女性「マレーナ」にハマる。

「リリイシュシュ」の少年は、リリイシュシュのビジュアルよりもむしろ、音楽・歌詞の精神性にハマったっぽい。マレーナは、もろビジュアル、それと性的魅力にハマる。
現代日本だって、性的魅力にハマることはもちろんあるだろうけど、大戦中のイタリアでは、それは考えにくい気もするなぁ。

マレーナの少年は現代的に言えばストーカー。当時そんなことばはなかっただろうけどね。
少年は直接的にはマレーナからは気づかれないままに話は進んでしまうんだけど、旦那に居場所を探すヒントを与えたところなどは、マレーナを救ってもいる。

リリイシュシュのように受け身の崇拝ではないんだね。もっともリリイシュシュの少年もファンサイトは作ってるわけだけど・・・。ファンの交流は生まれるけど、本人を救うわけではないわね。まぁ、リリイシュシュは、少年のことなど知るはずもないし、救われるべき存在でもないけど。

リリイシュシュの少年は、身近にいる女の子達も、やはり救えない。その無力さは切ない。

どちらの少年もかなりの暴走をするわけだが、無力感も共通している。

マレーナの少年は1人だからどこか微笑ましい。親父のキレぶりも笑えるけど、息子に対するツッコミとして機能してるな。

リリイシュシュの少年は、強いやつに巻き込まれてしまってるけど、誰もつっこめないので、集団暴走が痛い。

どちらの映画も、女の醜さを描いてる点は共通。
マレーナに対する嫉妬の嵐は凄まじい。リリイシュシュも女子の醜さ炸裂だったが、マレーナは大人同士。
けどマレーナのほうが嫉妬がオープンだな。リリイシュシュは陰湿だ。それが現代日本女子なのか?そういう面もなくはないだろうね。それがすべてのはずはないけど。

戦争があってもイタリアはどこか陽気♪
醜い部分、不幸な出来事もあるけど、ファシズムすらふっ飛ばしちゃう・・・みたいな。
今の日本の閉塞感は、ファシズムや戦争以上か?
なんだかなぁ・・・
by matsuzoh2002 | 2005-07-19 23:34 | 見た映画

by matsuzoh2002